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連邦政府、外国人大卒者受け入れ制限を緩和

   

    連邦内閣は専門者不足を打開するために、外国人大卒者の受け入れ制限を緩和する行動プログラムを閣議決定した。詳細は法案で規定される。

   行動プログラムによると、EU以外の国の大卒者にもドイツ雇用市場を開放する。但し、従来通り優先検査(国内の就業者および失業者の優先)がある。

   200911日からは無期限の滞在許可を取得するための条件である高学歴者の最低年俸が現在の86400ユーロから63600ユーロに引き下げられる。年俸が63600ユーロ以上の外国人移住者は最初から継続的滞在許可を取得できる。

   EU新規加盟国からの労働者受け入れ制限は2011年まで延長する。但し、大卒者の受け入れ制限は200911日から緩和される。優先検査もなくなる。

   ドイツに住んでいるが、容認されているだけの外国人には新しい「就業目的のための滞在許可」が導入される。2年以上継続的に専門職に従事していた大卒者および専門者はこの就業目的の滞在許可を取得できる。これは、ドイツで職業教育ないし大学教育を受けた、ドイツ社会に同化している、容認されて滞在している外国人にも適用される。

   外国にあるドイツ人学校の卒業生には優先検査がなくなる。また、外国学位の形式的承認が容易になる。外国から移住する高学歴者の配偶者は入国前のドイツ語力証明を義務付けられない。

   行動プログラムを共同作成したショイブレ連邦内務相とショルツ連邦労働相は、「大卒者対象ではない職種の労働者を受け入れる需要はない」という見解で一致している。この職種の専門労働力不足は職業教育の強化により早期に解決できると見ている。

   連邦政府は移民受け入れ制限の緩和により、専門労働力を巡る国際競争に対処する。ショルツ労働相は、この規制緩和がドイツ雇用市場の負担にならないことを強調した。300万人以上の失業者がいることを鑑み、国内の労働力を優先すると同時に、失業者の再教育、継続教育を引き続き促進していく考えである。

   ショイブレ内務相によると、ドイツに移住した高学歴者は2006年が456人、2007年が466人と、極めて少なかった。

2008年7月29日)

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