ドイツのニュース

大学進学者数の伸び悩み

   

    高校卒業試験に合格して大学入学資格を取得した若者が増加する一方で、国内の大学の学生定員数が相応に増えていないために、入学できない若者が多くなっている。

   例えば、ミュンスター大学では定員数5000人に対して2万6000人が応募した。特に経営学科、心理学科、政治学科などが狭き門だという。

   2007年は大学入学者数が4年ぶりに上昇したが、大学入学資格取得者数の増加幅はそれを大きく上回っていた。連邦統計局によると、2007年の大学入学資格取得者は2003年よりも17%増加したが、大学入学者は5%少なかった。2003年は過去最高の377504人が大学に進学した。2007年は358673人だった。

   ギムナジウム(高等学校)の生徒が増えていることから、大学生数が現在の200万人から2015年には約250万人に増加すると予想されているが、そのために必要な学生定員数が相応に増加しないことが懸念されている。多くの応募者は定員制限ゆえに入学できない。2008年夏学期は学科全体の55%が入学許可数の制限を受けていた。

   一方、2007年は高校卒業後に職業訓練を始めたギムナジウム卒業生が2003年より28%増加した。大学に進学せずに、職業訓練を始めるギムナジウム卒業生が今後も増加すれば、実科学校(レアールシューレ)と基幹学校(ハウプトシューレ)の卒業生が職業訓練の職場探しで不利になることが懸念される。

   学生定員数の不足では、東西格差が見られる。旧東独の大学では理工系の応募者が少なく、待ち時間なしに入学できる。

   高校卒業者の大学進学が停滞しているが、進学断念の理由としては大学授業料、入学許可の制限、経済的理由などが挙げられる。

   連邦政府と州政府は2年前に、大学生数を増やすことを目的とする大学プログラムを決定した。全国で9万1000人の学籍を拡張すれば、連邦は州に全部で5億6500万ユーロの補助金を支給する。しかし、学籍の拡張は特に旧西独で進んでいない。このプログラムは2010年に終了するため、連邦と州はその更新を検討している。

2008年8月25日)

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