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ベルテルスマン、ブロックハウスを買収

   

    書誌学研究所&F.A.ブロックハウス社は200年以上の伝統を誇るブロックハウス百科事典の商標権とブロックハウス全集を業界最大手ベルテルスマンの子会社ヴィッセンメディアに売却する。存続が危ぶまれていたブロックハウス百科事典が受け継がれることになる。

   ランゲンシャイト社の子会社であるブロックハウス出版では百科事典事業の不振が続いていた。特に、無料のオンライン百科事典「ウィキペディア」の普及で、書店での販売が伸び悩んでいた。ブロックハウス百科事典は全30巻、約2万5000頁で、価格は2670ユーロ。ブロックハウスのドイツにおける知名度は93%を超える。

   昨年春には、出版を停止して、「ブロックハウス・オンライン」という新しい百科事典ポータルを通してブロックハウス百科事典のコンテンツを無料提供すると発表していたが、実現しなかった。ベルテルスマンはシュピーゲル誌と提携してベルテルスマン百科事典のコンテンツをシュピーゲルのオンラインポータルで無料提供している。

   しかし、ベルテルスマンはブロックハウス百科事典のコンテンツをブロックハウスというブランド名でインターネット上で提供する計画はない。ブロックハウス百科事典は引き続き書店で販売するという。

   書誌学研究所出版グループはドゥーデンやマイヤース百科事典、教科書、参考書、地図書、カレンダーなども出版しており、赤字部門のブロックハウス百科事典事業(売上全体の30%を占める)の売却で経営の立て直しを図る。今後はドゥーデン事業部門とカレンダー事業部門に集中化するという。

   ベルテルスマンは商標権とブロックハウス全集(コンテンツ)だけを買収するため、ライプチッヒのブロックハウス百科事典事業部門は閉鎖され、従業員は解雇される。

2009年1月15日)

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