オバサンの独り言
年明けから厳しい寒さが続いている。厳冬だというのに、ロシアとウクライナのガス紛争のおかげでウクライナ経由の欧州向け天然ガス供給が停止し、東欧の国々に大きな影響が出た。 他の供給源と備蓄のあるドイツではまだ影響が出ていないが、エネルギー安全保障のリスクが浮き彫りになった。天然ガスのロシア依存度(現在37%)を下げることが今後の課題だ。エネルギー資源の多くを外国に依存している一方で、原子力発電から撤退するドイツはエネルギー安全保障問題を見直す必要があるだろう。 風力や水力、太陽、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギー利用を促進し、その割合を高めるエネルギー政策は正しいが、エネルギー安全保障にはエコロジーだけでなく、経済性と信頼性も欠かせない。盲目的な再生可能エネルギー崇拝は賢明ではない。 再生可能エネルギー利用の拡大はもとより、既存エネルギー利用(石油、ガス、石炭、原子力など)の効率化やエネルギー供給源の多様化によってもリスクの最小限化を図ることができる。バランスのとれたエネルギー政策が求められている。 一方、世界経済の強烈な寒波もドイツ経済を一気に冷え込ませた。2009年は厳冬を覚悟しなければならない。 連邦統計局の暫定発表によると、2008年第4四半期にドイツの国内総生産は前期比1,5%〜2%縮小した。好調だった第1四半期のおかげで2008年度経済成長率は1,3%になったが、2007年(2,5%)と2006年(3%)を大きく下回った。今年は約2%のマイナス成長が見込まれており、戦後最悪の経済不況に陥ることが懸念されている。 急激な景気後退に対処すべく、連立与党は公共投資や減税、社会保険料率引き下げ、特別給付金などを盛り込んだ戦後最大規模の景気対策で合意したが、この景気対策がどの程度の効果を表すかは不透明である。 しかし、教育施設への大規模な公共投資は未来志向の投資として評価できるだろう。公的資金のばらまきではなく、将来性のある効果的な投資を願いたい。国の財政赤字の増大は次世代の大きな負担になるのだから、せめて未来志向の投資で彼らの負担軽減を図らなければならない。 2009年は金融危機、倒産、解雇、操業短縮、赤字・・・と暗いニュースで幕開けした。悲観的な予測ばかりだ。
マイナス傾向の時代にはプラス思考のオプティミストでありたいものである。 (2009年1月15日)
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