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全国文相会議、ボローニャ改革の修正で合意

   

    学士・修士課程への移行に多くの問題があることを訴える学生の抗議運動を受けて、全国文相会議(KMK)と学長会議(HRK)は1210日(木)、EUのボローニャ改革に基づく学士・修士課程の修正で合意した。

   両会議は、ボローニャプロセスに対する学生の批判点を受け入れて、改善案を共同決定したと発表した。教育・研究への支出を国内総生産の10%に引き上げるという目標を達成し、この資金の一部をボローニャプロセスの実現にも投入していく考えであることを明らかにした。両議会は学生に対して、抗議運動を止めて、教室に戻るよう呼びかけた。

   合意事項によると、試験数を少なくし、学生の負担を軽減する。講義と演習から成るモジュール当たり試験数は1だけとする。但し、いくつかのモジュールを1つの試験で修了することも可能とする。各モジュールにおける試験数を絶対不可欠な範囲に制限する。

   国内で大学を換えることや外国への留学を容易にする。そのために、大学間で試験の成績や修了したモジュールを相互承認できるようにする。これまでは、各大学の各専門学科が独自のモジュールを形成していたために、同州内でも大学を換えることが難しかった。大学間の互換性がなかった。

   他の大学での修学や実習もできるようにカリキュラムを形成する。学士課程でも職業分野に関連する資格だけではなく、学術的基礎の習得を強化する。

   修士課程への進学の前提条件については個々の大学に決定の自由が与えられるか、州の大学法で規定する。両議会は、学士号取得者全員に修士課程への進学を保証するという要求は拒否した。

   学士・修士課程の修学年数を柔軟にする。学士課程は 6学期だけでなく、7学期、8学期も可能とする。修士課程は 4学期だけでなく、3学期、2学期も可能とする。但し、大学における一貫した(連続した)学士・修士課程は 5年間(10学期)とすることは変わらない。

   全国的に適用されるこれらの規則を超えた、大学の形成の自由を制約する州独自の規則を無くすことでも合意した。

2009年12月18日)

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