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2009年の大学入学者数、過去最高

   

    連邦統計局の発表によると、2009年の大学入学者数は前年比 7%増(2万6800人増)の423400人で、過去最高となった。入学者の半数は女性。大学進学率は 40,3%から 43,3%に上昇した。大学生総数は 5%増の213万人。

   入学者増加率の高かった専門学科は土木建築(15%増)、機械工学(6%増)、情報科学(4%増)、電気工学(3%増)だった。

   昨年同様、専門単科大学(Fachhochschule)への進学率が特に上昇しており(9%増)、約3人に1人は専門単科大学に入学している。

   州別にみると、大学入学者数が最も増えたのはザールランド州で15%増だった。同州ではギムナジウム(高等学校)の9年制から8年制への移行に伴い、9年制最後の学年と8年制最初の学年が同時にギムナジウムを卒業したことが大学進学者急増の背景にある。

   バイエルン州とベルリン都市州でも 9%増と大幅に増加している。それに対して、ザクセン・アンハルト州では僅かに減少した。

   大学入学者数は2003年から2006年にかけて一時減少傾向にあったが、2007年に再び増加に転じた。2003年の入学者数は378000人(進学率38,9%)、2004年は359000人(37,1%)、2006年は345000人(35,7%)。1999年の大学進学率は31,3%だった(大学入学者は291000人)。

   連邦統計局は大学入学者増加の原因を把握していないが、6学期(1学年2学期制)後に学士号を取得できるようになったことが入学者増加の要因とみられている。ドイツでは、EU大学改革(ボローニャプロセス)の一環として、ドイツ伝統のディプロームとマギスターが学士・修士という世界的に採用されている学位に移行しており、学士・修士課程が標準になってきた。

   その結果、在学年数も短くなっている。2008年の平均在学年数は9,6学期で、2000年より1学期少なくなった。学士課程では6~7学期で、2008年は大学入学者の74%が学士課程に入学した。

   一方、大学卒業者数も増加している。2008年の大学卒業者数は309400人で、2002年より約10万人多い。これは48%増に相当する。大学卒業者の半数は女性。数学、情報科学、自然科学、技術の専門学科における大学卒業者数は102400人で、2002年より約 3万6900人多かった。

   女性教授の割合は2000年の11%から2008年は17%に上昇した。

2009年12月18日)

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