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ドイツ社会に最も同化していない移民はトルコ人

   

    ベルリン人口動向研究所の調査結果によると、ドイツ社会に最も同化していない移民(ドイツ国籍を取得した移民も含む)はトルコ人(約280万人)であることが明らかになった。同化度が高いのはEU諸国からの移民とドイツ民族に属する移民(約400万人:特に東欧諸国に住んでいたドイツ民族に属する者)、極東からの移民であった。

   ドイツに住むトルコ人(ドイツ国籍のトルコ人を含む)の30%は学校卒業資格を取得していない。大学入学資格(高校卒業資格)取得者は14%にすぎない。また、失業者、社会扶助受給者、主婦の割合も他の移民に比べて極めて高い。この状況は二世の世代でもほとんど改善していない。

   トルコ人移民の同化状況が特に悪いのはザールランド州で、学校卒業資格を取得していない人の割合が45%に達している。

   それに対して、ドイツ民族に属する移民では、学校卒業資格のない人の割合は3%に過ぎず、28%は大学入学資格を取得している。失業率も15%と低い。教育水準も他の移民より比較的高く、ドイツで生まれた子供(ニ世)は両親よりもドイツ社会に同化している。

   移民の出身国別で見ると、学校卒業資格のない人の割合が最も高いのはトルコからの移民(30%)で、次はアフリカ(25%)、中近東(22%)、極東(18%)、南欧(17%)、旧ユーゴスラビア(14%)、EU諸国(3%)、ドイツ民族に属する移民(3%)。ドイツ人では1%である。

   大学入学資格取得者の割合が最も高いのはEU諸国からの移民(51%)で、次は極東(48%)、中近東(38%)、アフリカ(37%)、南欧(28%)、ドイツ民族に属する移民(28%)、旧ユーゴスラビア(20%)、トルコ(14%)。ドイツ人では38%。

   州別で見ると、移民の同化が最も進んでいる州はヘッセンで、次はハンブルク、旧東独の州、バイエルン、バーデン・ヴュルテンベルク、ノルドライン・ヴェストファーレン、ベルリン、ラインランド・プファルツ、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン、ニーダーザクセン/ブレーメン、ザールランド。

   都市別では、同化が最も進んでいるのはミュンヘンで、次にボン、フランクフルト、デュッセルドルフ、ドレスデンが続く。同化が最も進んでいないのはデュイスブルクで、次がニュルンベルク、ドルトムント、ブレーメン。

   ベルリン人口動向研究所の専門家は、教育と職業上の成功のカギになるのは言語(ドイツ語)であることを指摘している。生徒の80%がドイツ語を理解しないクラスがある状況にあまりにも長い間慣れてしまったことに問題があるという。

2009年2月19日)

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