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連邦政府、新しい役員報酬規定を決定

   

    連邦内閣は311日(水)、役員報酬規定を厳しくすることを目的とした商法及び株式法の改正を閣議決定した。法案は夏休み前に連邦議会で採決される予定である。連邦参議院の同意は必要としない。

   法案の要旨は次の通りである。

  • 裏取引を防止するため、取締役員の報酬は監査役全員参加の監査役会で最終決定する。これまでは一部の監査役だけから成る部会で決定していた。

  • 役員報酬体系(ボーナス、株式オプションも含む)は短期的利益ではなく、企業の長期的・持続的な発展に基づくものでなければならない。報酬は取締役会の業績に見合った、業界もしくは国に見合った額でなければならない。役員と従業員の報酬格差が広がりすぎないように考慮しなければならない。

  • 株式オプションは早くても 4年後に行使できる。現在は 2年後から可能。

  • 監査役会は、経営状況が悪化した場合には(人員削減、欠損など)、事後になってからも役員報酬を削減することができる。

  • 監査役会の責任規定を厳しくする。不適当な役員報酬を決定した場合には、株主に対して損害賠償義務を負う。

  • 役員の報酬及び年金は従来よりも具体的に公表しなければならない。

  • 旧取締役は退職後最初の3年間は監査役会に属することができない。

   深刻な金融危機の中、特に金融機関における幹部社員の法外なボーナス支給が厳しく批判されている。売上や株式の短期目標達成を賞与の基準にしている企業が多く、企業の長期的・持続的繁栄が見失われていた。

   ツィプリース連邦法務相は、幹部社員が金融市場にもたらした損害を公益のために最小限化することが政府の任務であると語った。現行の報酬体系が現在の金融危機に多大に影響していることを強調した。報酬制度を新しく調整する時が来たという。

2009年3月19日)

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