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プロバイダー、児童ポルノサイトへのアクセス阻止で合意

   

    大手インターネットプロバイダー5社と連邦刑事庁は、児童ポルノサイトへのアクセス阻止で合意し、協定を締結した。フォン・デア・ライエン連邦家族相のイニシアティブで5社がようやく合意したが、3社はこれを拒否した。

   プロバイダー5社はDeutsche TelekomVodafone/ArcorAlice/HansenetKabel DeutschlandTelefonica/O2で、市場シェアは合わせて約75%。法的根拠なしに電気通信の秘密を侵害することを拒否するとして、協定の締結を拒否した3社は1&1VersatelFreenet

   そこで、連邦政府はまもなくテレメディア法を改正して、この議会任期中に発効させる計画である。この法律はドイツの民間インターネットプロバイダーすべてに適用される。

   合意事項によると、プロバイダー5社は今後6カ月以内にインターネット上の児童ポルノサイトにアクセスできないようにする。ユーザーがアクセスしようとすると、「ストップ」がディスプレーに表示され、目的のサイトへのアクセスが阻止される。

   連邦刑事庁は毎日、更新した児童ポルノサイトのリスト(約1000サイト)をプロバイダーに伝達する。プロバイダーは、これらのサイトへのアクセスを阻止し、サイトへのアクセスに関する統計を連邦刑事庁に提示することを義務付けられる。連邦刑事庁は、誤って合法なサイトが遮断された場合の損害賠償要求でプロバイダーに発生しうる財産損害に対する責任を引き受ける。

   連邦刑事庁のツィールケ長官は、ユーザーの80%は「偶発犯」であり、「ストップ」表示はこれらのユーザーを威嚇する効果があると期待している。

   連邦刑事庁によると、ドイツでは児童ポルノサイトに毎日数十万回アクセスされている。ユーザー数は2006年から2007年までに2倍以上増加しており、被害者の年齢は低下傾向にある。被害者の12%は6歳未満である。

   フォン・デア・ライエン連邦家族相のイニシアティブを批判する人たちは、このアクセス阻止は技術的に不十分なので効果的でないとする一方で、さらなる検閲措置を懸念している。

   現在、20カ国以上が児童ポルノサイトの阻止を導入済みもしくはまもなく導入する計画である。欧州では、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、英国、スイス、イタリアが導入済み、オランダ、ベルギー、アイルランド、アイスランド、ポーランドが導入を計画している。

2009年4月21日)

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