ドイツのニュース

欧州裁判所、ドイツの他主占有禁止は合法

   

    欧州裁判所は519日(火)、「ドイツ薬剤師法に規定されている他主占有の禁止は合法である」とする判決を下した。(20031124日、2006年8月15日のニュースを参照)

   ドイツでは、将来も薬局の所有と営業は免許を有する薬剤師だけに認められる。専門外の投資家(例えば、株式会社)は、雇用した(免許を有する)薬剤師が顧客の相談に応じ、薬品を手渡す場合でも薬局を営業することはできない。

   欧州裁判所によると、他主占有の禁止はEU法に定められている「開業の自由」と「資本移動の自由」の侵害ではあるが、健康の保護ゆえに正当化される。「人の健康の危険」という薬品の特別な要件においては、EU加盟国は国民保護の基準を決定することを認められる。

   裁判官は、「薬品は普通の商品ではなく、誤った配量は重大な害をもたらす」ことを強調した。薬剤師の利益追求はその教育と経験と責任により抑制されており、法律違反は薬剤師の生活基盤を揺るがしうるとしている。

   ドイツ薬剤師連盟は、「他主占有の禁止は独立した自由業の薬剤師による専門的な助言を保証する」として、欧州裁判所の判決を歓迎した。シュミット連邦保健相は、「薬剤師が所有・経営する薬局は資本市場の利害に左右されない薬品の供給を保証し、安全で質の高い供給への責任を強化する」として、法的に明確化されたことを評価した。

   それに対して、法定疾病保険金庫は、「薬品供給における競争強化のチャンスを逸した」として批判した。専門家も市場競争による処方箋不要薬品の値下げが期待できないことを懸念している。ノルウェーなどのEU諸国では、市場開放後、価格が大幅に低下した。

   消費者保護団体は、「職業倫理は薬剤師が自営か、雇用されているかに左右されない」として、判決を批判している。

   多くの薬品卸売業者やスーパー、ドラッグストアはドイツ市場で薬局チェーン店を展開する計画であったが、欧州裁判所の判決により計画の断念を余儀なくされる。ドラッグストアやスーパーは薬品注文代行業務を拡大していく計画である。

   オランダのインターネット薬局「ドック・モリス」のドイツにおける薬局営業許可を巡り、同社と薬剤師が法廷で争っていた。ドック・モリスを2007年に買収した欧州最大の通信販売薬局セレシオは、今後は通信販売とドック・モリスの提携薬局(フランチャイズ・チェーン)の拡大に事業を集中することを明らかにした。2011年までにドック・モリス提携薬局を 500店に拡大する計画である。ドック・モリスはこれまでに 150の薬局とフランチャイズ契約を締結している。

2009年5月26日)

戻る