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連邦議会、妊娠中絶法改正案を可決
連邦議会は5月13日(水)、妊娠12週目以降の妊娠中絶規定を厳しくする妊娠中絶法改正案を可決した。賛成は326票、反対は234票だった。 新しい人工妊娠中絶規定は、妊娠12週目以降の胎児が重病もしくは障害を持って生まれる公算が大きいと診断された親と診断する医師に適用される。 改正案によると、医師は、妊娠12週目以降の妊娠中絶が認められる(胎児の重度障害)診断をした後、母親に詳細な助言をする義務を負う。また、医師は母親の同意の下に、相談所もしくは自助グループを母親に紹介しなければならない。母親に助言する際には、胎児の健康障害を専門とする医師の参加を求めることを義務付けられる。医師がこれらの義務を果たさなかった場合には、最高5000ユーロの罰金が科される。 また、医師の診断と妊娠中絶のための医学的要件の文書発行の間には最低 3日間の考慮期間を置かなければならない。考慮期間と医師の助言義務により、親が診断直後のショックから重度障害の胎児の妊娠中絶を決めることを防止する。 妊娠22週目から胎児は生存能力があるとみなされるが、妊娠中絶法では母体の健康を精神的もしくは身体的に害するおそれのある場合には、この時期の妊娠中絶も処罰されない。母親が重度障害を持つ子供の誕生を精神的に克服できないという理由から重度障害のある胎児の妊娠中絶が認められている。連邦統計局によると、2007年は22週目以降の胎児の妊娠中絶件数は229件だった。
妊娠中絶法改正案は6月12日に参議院で採決される予定であるが、同法案は連邦参議院の同意を必要としない。 (2009年5月26日) |