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OECD、ドイツの租税公課負担は大きすぎる

   

    経済協力開発機構(OECD)が発表した2008年度租税公課国際比較によると、ドイツの低所得者と平均所得者の租税公課負担が極めて大きいことが明らかになった。独身者、共働き夫婦の租税公課負担が大きい。子供の有無に関係なく、夫()が働いて妻(夫)が主婦(主夫)の家庭の租税公課負担だけがOECD比較で中位にあった。

   ドイツでは、2008年の労働コスト(名目上の所得+雇用者の社会保険料)に占める租税公課(所得税+雇用者と被雇用者の社会保険料-子供手当のような現金支給手当)の割合は、独身者(所得が平均所得の167%)が52,6%(OECD平均は41,9%で、ドイツは4位)、独身者(平均所得)が52%(37,4%、3位)、独身者(平均所得の67%)が47,3%(33,5%、2位)、子供のいない共働き夫婦(平均所得+平均所得の33%)が47,2%(34,3%、3位)、子供二人の共働き夫婦(平均所得+平均所得の67%)が45,2%(32,3%、2位)、子供二人の共働き夫婦(平均所得+平均所得の33%)が41,4%(29,4%、3位)、子供二人の夫婦(平均所得+主婦(主夫))が36,4%(27,3%、10位)、子供二人のひとり親(平均所得の67%)が34,8%(18,4%、5位)だった。

   また、2008年の名目上の所得に占める租税公課(所得税と被雇用者の社会保険料から現金支給手当を差し引いたもの)の割合は、独身者(平均所得の167%)が45,6%(OECD平均32,1%)、独身者(平均所得)が42,7%(26,4%)、独身者(平均所得の67%)が37%(21,8%)、子供のいない共働き夫婦(平均所得+平均所得の33%)が36,9%(22,8%)、子供二人の共働き夫婦(平均所得+平均所得の67%)が34,5%(20,3%)、子供二人の共働き夫婦(平均所得+平均所得の33%)が30%(17%)、子供二人の夫婦(平均所得+主婦(主夫))が24,1%(14,5%)、子供二人のひとり親(平均所得の67%)が22,0%(4,2%)だった。

   OECDは、ドイツでは累進課税制度にもかかわらず、租税公課負担が一定の所得水準から再び低下していることを指摘している。これは、社会保険料算定上限の設定(高所得者の場合、所得の一定額までが社会保険料算定の対象になり、それ以上は保険料が上昇しない)に起因している。このような社会保険制度はドイツ、オーストリア、スペイン以外にはない。

   例えば、年間所得が約63000ユーロの独身者の負担は53,7%で、租税公課の割合が最も大きかった。それに対して、年間所得110000ユーロの場合は50%に低下している。これは年間所得36500ユーロの被雇用者の水準である。

   OECDは、共働き夫婦の租税公課負担が大きく、配偶者が仕事をしていない夫婦の負担が少ないドイツの状況を批判している。

2009年5月26日)

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