ドイツのニュース

連邦議会、役員報酬法案を可決

   

    連邦議会は618日(木)、役員報酬法案を可決した。役員報酬における企業の持続的発展の基準が強化される。また、経営悪化の際に、役員報酬の削減が容易になる。同法は連邦参議院の同意を必要としない。(2009年3月19日のニュースを参照)

   法案の要旨は次の通りである。

  •  取締役員の報酬は監査役全員参加の監査役会で最終決定する。これまでは一部の監査役だけから成る部会で決定していた。

  • 役員報酬体系(ボーナス、株式オプションも含む)は短期的利益ではなく、企業の長期的・持続的な発展に基づくものでなければならない。報酬は取締役会の業績に見合った、業界もしくは国に見合った額でなければならない。役員と従業員の報酬格差が広がりすぎないように考慮しなければならない。

  •  株式オプションは早くても 4年後に行使できる。現在は 2年後から可能。

  • 損害が発生した場合は、役員は損害賠償請求の最低10%を自己負担しなければならない(D&O責任保険)。但し、年間固定給の1,5倍を上限とする。

  • 監査役会は、経営状況が悪化した場合には(人員削減、欠損など)、事後になってからも役員報酬を削減することができる。

  • 監査役会の責任規定を厳しくする。不適当な役員報酬を決定した場合には、株主に対して損害賠償義務を負う。

  • 役員の報酬及び年金は従来よりも具体的に公表しなければならない。

  • 旧取締役は退職後最初の 2年間は監査役会に属することができない。

   ツィプリス連邦法務相は、「誤った役員報酬制度が金融危機の重大な原因であり、金融危機を教訓とする」と語った。政治が秩序の枠組みを新たに調整すべき時がきたという。但し、役員報酬の具体的な額を決めるのは国ではなく、契約当事者であると述べた。

2009年6月23日)

戻る