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65歳まで働く人は少ない

   

    ドイツの年金受給開始年齢は2012年から2029年までの期間に段階的に65歳から67歳に引き上げられるが、現行の受給開始年齢65歳まで働く人は極めて少ない。しかも経済危機がこの傾向を加速している。

   連邦政府によると、6365歳の年齢まで社会保険加入義務のあるフルタイム勤務をする人は14人に 1人に過ぎないという。

   社会保険加入義務のあるフルタイム勤務の仕事をしている就業者の割合を年齢層別で見ると、フルタイム就業率は55歳以上の年齢層から急激に低下している。5558歳の年齢層で39,4%、5863歳の年齢層で26,6%、63歳以上で7,4%。

   このデータは2008年8月の統計で、当時は経済危機の影響が雇用市場にまだ及んでいなかった。それ以降、雇用状況は全体としては比較的安定しているものの厳しくなっている。

   5565歳の年齢層の失業者数は2007年5月~2008年5月の1年間で14%ほど減少したが、それ以降の1年間で17%増加した。50歳以上の年齢層の失業率は現在9,3%で、全体の失業率を約1ポイント上回っている。

   58歳以上の失業者数はこの1年間で96%も増加した。急増の背景には「58歳規定」の失効がある。2007年末まではこの年齢層は早期退職できたため、失業者統計に把握されなかったが、2008年1月からは失業者とみなされている。

   年金受給開始年齢引き上げに対する批判の声が大きくなっており、連邦政府も「実際に67歳まで働くことができなければ、引き上げは有意義ではない」という見解を示している。法律では、この条件を2010年に見直すことが規定されている。

2009年7月21日)

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