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ドイツの教員は欧州で最も高齢

   

    欧州委員会が発表した「欧州における教育制度の統計」によると、ドイツの教員は欧州で最も高齢であることが明らかになった。教員のほぼ半分が50歳以上で、今後10年~15年に定年退職するという。

   特に小学校で若い教員が不足している。ドイツの小学校教員の平均年齢は欧州で最も高い。中学校以上の教員では、イタリアに次いで 2 番目に高齢である。イタリアでは50歳以上の教員の割合が60%を超えている。

   教育研究者のクレム氏は、ドイツでは2020年までに約46万人の教員が定年退職すると推定している。それに対して、教職に就く若い教員は年間約 2万6000人に過ぎない。生徒数が減少することを考慮しても改善どころか、現状の維持も難しいと悲観的に見ている。

   欧州委員会は、教員の高齢化が授業の質に悪影響することを警告している。年齢の高い教員は新しい学習法や教授法を積極的に応用しない傾向にあるため、年齢の高い教員こそ継続教育が必要であると指摘している。例えば、ドイツではグループ学習が少ないという。

   ドイツ教員連盟は、「経験も重要であり、年齢の高い教員が若い教員より悪いわけではない」としたうえで、教員の高齢化が大きな問題であることを認めた。

   同連盟は、若者にとって教職が魅力的でないことも指摘している。多くの若者にとって教職は間に合わせの職業に過ぎない。しかし、教員不足であっても教員の質を落としてはならないと警告している。応募者の約20%は教職に適していないという。

   欧州委員会によると、フィンランドでは教員の約半分が40歳以下で、教職は世間一般に認められた、魅力的な職業とみなされている。

   教育・科学労働組合(GEW)が 6月半ばに発表した調査結果では、ドイツの教員の42%が50歳以上だった。

   同じく 6月半ばに発表されたOECDの調査結果によると、調査に参加した23カ国では、50歳以上の教員の割合は27%に過ぎなかった。30歳以下の教員の割合は15%だった。但し、ドイツ、米国、日本、フランス、英国はこの調査に参加しなかった。

2009年7月21日)

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