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EU、手荷物取扱に関する新規定を計画

   

    欧州委員会は、空港で紛失したり、遅れて届けられた手荷物に対する乗客の権利を強化する意向である。これまで乗客は有効な措置をとることができず、最高1100ユーロの賠償を受けることも難しかった。

   欧州連合では、預けた手荷物が紛失する確率が乗客 64人に1人と、極めて高い。2008年1月~10月にEU加盟国の空港では全部で約460万個の手荷物が遅れて乗客に届けられた。世界では、紛失したり、遅れて届けられたり、盗まれた手荷物が3280万個に達すると推定されている。

   航空会社と空港がここ数年間に手荷物取扱を改善したため、紛失した手荷物の大半は捜索され、遅れて届けられている。2008年は紛失した手荷物数が前年比 20%減少した。

   しかし、世界では毎日約 9万個、欧州連合では約1万個の手荷物が紛失している。紛失した手荷物の15%は2日以上たってから乗客に届けられているという。盗難のケースもあるが、多くの場合は粗雑な手荷物取扱に起因している。

   欧州委員会は、乗客の請求権、権利、手荷物を届けるサービスの管轄などが依然として不明確であるために、到着空港で手荷物を受け取れなかった乗客に対するサービスが極めて不満足な状態にあることを指摘している。

   現在、欧州連合も加盟国も乗客の苦情に対応する法的手段がない。手荷物取扱サービスに対する監視機関の設置がEU加盟国に義務付けられていないため、大半の加盟国が設置していない。航空会社と空港会社は手荷物取扱の改善を約束しているが、欧州委員会は乗客の権利を妥当に保護するために、既存システムの改善が可能かどうかを調査して、来年には法案を提示する意向である。

2009年8月28日)

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