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開業医の純益は増加している

   

    連邦統計局が発表した開業医所得調査結果によると、開業医の2007年度純益は平均で142000ユーロで、2003年より 1万6000ユーロ増加した。旧東独では12万ユーロ、旧西独では147000ユーロだった。

   この純益は、診療所当たり実利益で、収入からすべての経費を差し引いた後の収益(税金と社会保険料を差し引く前の収益)である。被雇用者の名目上所得に相当する。開業医の経費は2002年は収入の 53,6%を占めていたが、2007年は 51,7%に低下した。

   2007年の平均純益は前回の調査をした2002年より12,7%増えており、被雇用者の名目上所得の増加幅を上回っている。医者の所得の上昇率は平均で年間2,42%、被雇用者は約2,3%だった。今年 1月に導入された医師報酬改革により、第1四半期の報酬は平均で対前年四半期比 7,4%上昇している。

   法定疾病保険からの収入の割合は2003年の 75%から2007年は 71%に低下し、民間疾病保険からの収入の割合は 22,2%から 25,9%に、鑑定などの収入は 2,7%から 3,1%に上昇した。

   この調査結果は、民間疾病保険加入者の割合は全体の10%に過ぎないが、民間疾病保険からの報酬が平均以上に高いことを示している。また、法定疾病保険からの収入が大きな割合を占めており、開業医は法定疾病保険なしに診療所を運営できないことも明らかにしている。

   医師報酬を専門別にみると、純益が最も多かったのは放射線医で264000ユーロ、次が整形外科医(186000ユーロ)、眼科医(17万ユーロ)、泌尿器科専門医(167000ユーロ)、内科医(158000ユーロ)、皮膚科専門医(155000ユーロ)、外科医(148000ユーロ)、婦人科医(145000ユーロ)、耳鼻咽喉科医(144000ユーロ)。

   平均を下回ったのは神経科医(128000ユーロ)、小児科医(124000ユーロ)、一般医(116000ユーロ)だった。

   法定疾病保険連盟は保険医に対して、非現実的な所得状況を主張せずに、節度ある報酬交渉をするよう呼びかけている。これまで、保険医の団体は、所得が少なすぎるために、外国に移住したり、経済界に転職する医者が増えているのだと批判していた。

   保険医の団体は、保険医の平均所得が 87000ユーロ、病院の主任医師の平均所得が105000ユーロとして、約15万人の保険医と精神療法医の法定疾病保険金庫からの平均報酬が2008年と2009年に約 9%(約38億ユーロ)引き上げられたとしても、これまでの減収の一部しか補うことができないと主張していた。

2009年8月28日)

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