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ドイツの賃金上昇率、EU平均以下

   

    2008年度EU賃金比較によると、ドイツの名目上の賃金は2,9%上昇した。27カ国中24位。実質賃金は0,1%増で18位だった。EU平均は1,3%。

   実質賃金上昇率が最も高かったのはリトアニアで9,5%増。2004年と2007年にEUに加盟した新規加盟国12カ国が上位を占めた。オーストリア、フランス、スペイン、チェコ、ベルギー、デンマーク、スロヴェニア、マルタは賃金が減少した。

   男女の賃金格差比較では、ドイツは女性の賃金が男性の賃金の77%であった。EU平均は83,4%。賃金格差が最も少なかったのはイタリアで、95,6%。賃金格差がドイツ(77%)よりも大きかったのはエストニア(69,7%)、チェコ(74,8%)、オランダ(76,4%)だけだった。フランスは84,2%、英国は82,9%。

   ドイツ経済研究所によると、男女の賃金格差が大きい原因としては、低賃金のサービス業で働く女性が多いこと、育児休業ゆえに職業経験が少ないこと、賃金交渉で妥協しやすいことなどが挙げられる。女性は、家に近い会社、和やかな職場環境の会社を好む傾向が強く、多くの女性にとってこれらの要素の方が賃金よりも重要であるという。

   両親手当の導入により、格差が多少縮まることが予想される。両親手当などの要素をすべて考慮すると、同じ教育水準、同じ職業経験、同じ企業の場合、女性の賃金は男性よりも1015%少ないと同研究所は試算している。

2009年9月22日)

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