ドイツのニュース

職業訓練でも男女格差あり

   

   ドイツ労働組合連盟(DGB)の2009年度職業教育レポートによると、女性はすでに職業教育期間中に男性よりも不利に扱われている。女性の多い職種では男性の多い職種よりも報酬が少なく、有給休暇日数も少ない。同連盟は25職種の職業訓練生約7000人を対象にアンケート調査を行った。

   男性の多い職種では、超過勤務手当が出る割合が61%なのに対して、女性の多い職種では46%だった。

   また、金属加工業や電子工業の職業訓練生の休暇日数は美容師や診療助手よりも平均で 3日間多い。男性の多い職種の報酬は女性の多い職種よりも月額100ユーロ以上多かった。

   DGBの調査結果では、職業訓練生の平均報酬は月額約 573ユーロだったが、連邦職業教育研究所がすべての職種を調査したところ、職業訓練生の2008年度平均報酬は旧西独で 2%増の 657ユーロ(月額)、旧東独で 567ユーロだった。

   職業訓練生が高く評価する職種のランキングでは、1位が専門情報科学、2位が工業機械、3位が銀行だった。それに対して、悪条件が指摘されたのは飲食・旅館業。DGBによると、職業訓練の質も悪いという。超過勤務が多いが手当がなく、職場環境も悪く、仕事もきつい。搾取されていると感じている職業訓練生が多い。DGBは、飲食・旅館業では職業訓練生が安い労働力として利用されていると批判している。

   また、レポートでは、大企業と小規模企業の格差も顕著である。事業所が大きければ大きいほど超過勤務が少ない。回答者の42%が定期的に超過勤務をしなければならないと回答しており、3分の 2以上は労働時間で調整されるか、手当を支給されている。それに対して、小さな美容院では超過勤務が多いが、手当は支給されていない。

   ドイツ労働組合連盟は連邦政府に対して、職業における男女平等を推進するよう求めた。パートタイム勤務による女性就業率の上昇では十分でないとしている。

   また、商工会議所が予告なしに職業訓練事業所をコントロールすることも求めている。職業訓練生は職場を失うことを恐れて、苦情を訴えることを躊躇しているという。

2009年9月22日)

戻る