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早い時期に中退する学生が増えている

   

    大学情報システム(HIS)チームの調査結果によると、ほぼ 5人に 1人の学生が中途退学している。ボローニャプロセスに基づく学士・修士制度の導入により、中途退学する学生数が減少することが期待されていたが、それほどの効果は見られないという。人文学部と社会学部では大学中退者が減少したが、工学部では増加した。

   学士・修士制度導入前は平均で 8学期(年 2学期制)後に退学していたが、学士課程の学生は平均で2,9学期で退学しており、早い時期に退学する傾向が明らかになった。

   HISの専門家はその理由として試験の重圧を挙げている。学士課程では最初の学期から講義数も試験数も多く、大学に慣れるまでに躓いてしまう学生が多いという。

   2008年と2000年を比較した学生のアンケート調査によると、2008年の学士課程の学生は早期退学の理由として成績の重圧(過大な要求)を挙げている。

   中途退学の理由として成績問題を挙げた学生の割合は2000年が12%、2008年が20%だった。試験不合格は2000年が 8%、2008年が11%。この二つの理由を挙げる学生が増えていることが分かる。

   もう一つの大きな理由は経済的問題で、2000年が18%、2008年が19%だった。学士課程の学生は授業料を払わなければならない一方で、出席義務付けが厳しいカリキュラムゆえにアルバイトをする時間が少なくなっている。

   その他の理由はモチベーション不足(2000年:16%、2008年:18%)、学習環境(2000年: 8%、2008年:12%)、目指す職業の変更(2000年:19%、2008年:10%)、その他(2000年:16%、2008年:11%)だった。

   大学中退者数の長期的動向は特に政治と大学が学生の抗議運動にどう対応するかにかかっていると専門家は見ている。

2010年1月25日)

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