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2009年の出生数、過去最低
連邦統計局の発表によると、2009年の出生数は過去最低の66万5112人だった。2008年より 1万7402人少ない。10年前と比べると10万人以上少ない。 合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供の数の推計値)は2008年の1,38から1,36に低下した。旧西独では1,35で、過去最低だった2006年の1,34を僅かに上回った。旧東独では変動がなく、ドイツ統一以来最高の1,41。 州別で見ると、出生数が最も多かったのはザクセン州とメクレンブルク・フォルポメルン州で、最も少なかったのは都市州(ベルリン、ハンブルク、ブレーメン)とザールランド州だった。 2009年も若い女性の出産が減少し、33歳以上の女性の出産が増加した。2001年は25歳から29歳までの女性における出生率が最も高かったが、今では30歳から34歳までの女性の出生率が最も高い。出産年齢が高くなる傾向が続いている。 統計専門家によると、出生数減少は半分が出生率の低下に、残る半分は15歳から49歳までの女性の人口の減少に起因しているという。出生率はドイツ統一後の1994年に過去最低の1,24に達したが、出生数は約77万人だった。 シュレーダー連邦家庭大臣は、経済危機にもかかわらず出生率が大幅に低下することなく、比較的安定していることをポジティブに評価している。最近の調査によると、2010年は子供が欲しい親が再び増えている模様で、両親手当や保育施設の拡充などの家族政策が正しい方向に向かっていることを示しているという。 保育施設が整備されている旧東独では経済危機にもかかわらず出生率が1,41である。連邦政府は2013年までに 3歳未満児の最低 3分の1を保育施設に収容できるようにすることを目指している。現在は 3歳未満児の23%が保育施設ないし保育ママに預けられている。
一方、経済専門家は年ごとの統計を過大評価しないよう警告している。子供にやさしい社会づくりは長期的な政策であり、その成果は10年ぐらいの間隔で評価しなければならないという。 (2010年12月22日) |