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連邦環境相、廃棄物の分別・リサイクルを強化

   

    レットゲン連邦環境相は廃棄物の分別とリサイクル処理を強化する意向で、リサイクル処理のために紙/金属/プラスチック/ガラスを分別するよう市民に呼び掛けた。同相が計画している循環経済・廃棄物法改正案は、集落廃棄物の 3分の 2をリサイクル処理することを目指している。

   同改正案によると、2015年から現行の黄色のプラスチック包装材回収容器の代わりに有価物回収容器を導入して、プラスチック/紙/ガラスだけでなく金属も分別収集する。この有価物回収容器では、使用済み包装材(プラスチック)だけでなく、これまでは黒色の残留廃棄物回収容器に捨てられていたリサイクル可能な廃棄物(金属や小型電気・電子機器、木、プラスチックの玩具など)も収集する。黒色の残留廃棄物回収容器にはリサイクル処理できない残留廃棄物だけを捨てる。

   EU廃棄物大綱指令は集落廃棄物における50%のリサイクル率を求めているが、改正案では2020年1月1日までに最低リサイクル率を65%に引き上げる計画である。現在は63%。また、州の管轄官庁は毎年 6月30日までに、達成したリサイクル量を連邦環境省に提示しなければならない。

   アンケート調査結果によると、消費者の83%は、ゴミ料が高くならないことを条件に、有価物回収容器の導入を求めている。使用済み包装材はリサイクル処理されるが、同じ素材から成る他の廃棄物はゴミ焼却設備で処分されていることに多くの市民が疑問を抱いている。

   地方自治体と民間廃棄物処理業者の役割分担や費用負担などの主要課題については改正案は明記していない。同法改正によりEU指令も国内法に移行される。同法改正の目標は全国に有価物回収容器を導入することで、同様にバイオ廃棄物回収容器も全国導入する計画である。法律改正の発効時期はまだ決まっていない。

   廃棄物処理産業の業界団体は改正案の明確化と修正の必要性を指摘しているが、焼却に対する素材リサイクルの優先、リサイクル可能なすべての廃棄物を分別収集する有価物回収容器の導入、リサイクル率引き上げを歓迎している。また、同法改正により廃棄物経済がようやく原料・資源経済に移行することを評価している。

2010年4月15日)

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