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企業、適性のある職業訓練生を求む

   

    ドイツ商工会議所連合会のアンケート調査結果によると、教育水準の低下と少子化を要因として、多くの企業は適性条件を満たす若者が不足することを懸念している。

   2009年は 5分の 1の企業が必要数の職業訓練生を採用することができなかった。これは約 5万人に相当する。63%の企業は、応募者が適性条件を満たせなかったことを理由として挙げている。

   3年前は必要数を採用できなかった企業は 12%に過ぎなかった。職業訓練市場にも少子化の影響が見られ、職場数ではなく、応募者数が少なくなってきているという。独商工会議所連合会は今年、5%減を見込んでいる。

   応募者減少傾向は特に旧東独で顕著である。旧東独では学校卒業生が2005年の213000人から2009年は141000人に減少した。ドイツ全体では2010年は 3%減と予想されている。

   また、大学進学者が増えていることも職業訓練生不足の一因である。しかし、主因は応募者の適性不足にあるという。

   54%の企業は社内で職業訓練生に補習授業をしている。授業は職業訓練の内容ではなく、本来学校で学ぶべき基礎知識を与えるためだという。約 3分の1の企業は連邦雇用庁の職業教育援助プログラムも利用している。企業は、「親と学校が16年間怠ってきたことを補わなければならない」と批判している。

   数学とドイツ語の成績が悪いだけでなく、やる気や規律、忍耐力に欠けているという。時間通りに起床し、職業学校へ行き、宿題をするという基本的な生活習慣は、本来、親がしつけるべきである。すべての躾を学校に期待することは間違っており、躾は親の責任だとしている。

   4分の3の企業は今年、昨年と同数ないしそれ以上の職業訓練生を採用する計画である。大企業が職業訓練生を削減する傾向にあるのに対して、中小企業は増やす意向である。

   連邦政府の職業教育報告書では、中途退学者が多いこと、職業訓練のための能力が不足していることが指摘されている。5人に1人の職業訓練生雇用契約は期限前に解約されているという。

2010年4月15日)

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