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社会的出身が大学進学を決定する

   

    依然として、子供が大学に進学する確率と親の学歴には密接な関連性がある。大学進学における様々な社会層間の格差が縮小する傾向にあるが、その進展は遅く、一貫性がない。

   ドイツ学生相互扶助会(DSW)の委託で大学情報システム(HIS)が実施した第19回社会調査結果において、専門家は、「根本的な社会的不均衡が比較的安定していることが明らかになった」と結論づけている。

   調査結果によると、2007年は大卒の親の子供100人のうち 71人が大学に進学した。それに対して、親が大卒でない家庭の子供100人のうち大学に進学したのは 24人だけだった。2005年は 83人:23人、2003年は 83人:26人。

   また、大卒の公務員の子供の大学進学は労働者の子供のほぼ 4倍だった。

   ドイツ学生相互扶助会の会長は、「大卒者の子供の大学進学が僅かに減少したものの、ドイツ大学制度における根本的な社会的選択は愕然とするほどに安定している」と語った。大卒者が大卒者を創出しており、社会的に開放された大学から程遠い状況にあるという。

   社会層別で見ると、大学生全体に占める低階層の子供の割合は2009年が15%であった。この割合は1982年の23%から年々低下して2006年は13%だったが、2009年に再び 2ポイン上昇した。中級階層の子供の割合は26%で、同様に1982年の34%から年々低下し、2006年は25%だった。上級階層の子供の割合は23%で、1982年は26%、2006年は24%。最上級階層の子供の割合は1982年の17%から2006年の38%まで年々上昇したが、2009年は36%に低下した。

   専門家は、雇用市場政策上望ましい新しい需要の開拓は大学の社会的開放の強化でしか達成できないという結論に至っている。

2010年5月16日)

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