ドイツのニュース

ドイツの大学生の生活事情

   

    ドイツ学生相互扶助会(DSW)の委託で大学情報システム(HIS)が行った第19回社会調査結果によると、ドイツの大学生の生活費は平均で月額 812ユーロである。三大収入源は親、アルバイト、連邦奨学資金(BAfröG)。

   2009年夏のアンケート調査によると、大学生の87%は親から平均で月額 445ユーロの仕送りを受けている。66%の学生はアルバイトをして平均で月額 323ユーロの収入を得ている。29%の学生は平均で月額 430ユーロ(2006年より 54ユーロ多い)の連邦奨学金を受給している。

   学生の生活費に占める親からの仕送りの割合は1991年以来初めて減少した。これは、低・中階級層が経済的負担の限界にきていることを示しているという。

   2006年の調査では、学生の60%がアルバイトをしていたが、2009年は66%に上昇した。学士・修士制度の導入によりアルバイトをする学生が減少すると予想されていたが、その反対の傾向がみられる。

   2007/2008年度に連邦奨学金が10%引き上げられたため、平均受給額が大きく増えたが、親の収入の控除額が 8%引き上げられたにもかかわらず、受給者数はほとんど変わっていない。

   一方、大学生の住居状況をみると、大学生の37%がアパートに住んでいる。そのうち、20%はパートナーと一緒に住んでおり、17%は一人で住んでいる。26%はシェアハウス/ルームシェア、23%は親の家、12%は寮、2%は又借り。

   ドイツ学生相互扶助会が提供している学生寮は1000か所を超え、全部で181000人の学生が住んでいる。寮は特に大学1年生に人気があり、親元に住んでいない大学1年生の27%が寮に住んでいる。親元に住んでいない21歳未満の学生では25%以上。

   寮に住んでいる学生のほぼ半分は月に 640ユーロ以下で生活しており、親の家以外では寮が最も安い住居形態である。

   大学1年生は親元か寮を好み、学年が上になるとパートナーと一緒にアパートに住む傾向がみられる。シェアハウス/ルームシェアは年齢に関係なく人気がある。

   2006年と比較すると、シェアハウス/ルームシェアは 1ポイント上昇、寮も 1ポイント上昇したが、一人でアパートに住む学生の割合は20%から17%に低下した。

   全体的に、経済的に負担の少ない寮と親元が好まれているようである。

2010年5月16日)

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