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依然として男女の賃金格差は大きい

   

   連邦統計局の発表によると、2009年は女性の賃金(時給)が平均で男性の賃金より23%ほど少なかった。女性の名目上の時給は平均で14,90ユーロ(2,7%増)、男性の時給は19,40ユーロ(2,6%増)だった。依然として男女の賃金格差が大きく、改善していない。

   旧東独では女性の賃金が平均で男性の賃金より 6%だけ少なかったのに対して、旧西独では25%も少なかった。これは、旧東独ではフルタイム勤務する女性が多いことに起因しているという。

   男女の賃金格差には様々な要因がある。低賃金の職種に従事する女性が多いこと、育児ゆえにキャリアが中断されること、パートタイム勤務が多いこと、管理職に就く女性が少ないことなどが挙げられる。

   ドイツ経済研究所(DIW)の専門家によると、ドイツでは伝統的な役割分担の考え方が依然として根強い。典型的な役割分担が女性自身の考え方にも影響しているため、女性は最初から家庭と両立しやすい、キャリアを目指さない職業を選ぶ傾向にあるという。そこで、女性にも意識改革を求めている。

   EU比較では、ドイツの格差が大きい。これはパートタイム勤務する女性が多いことに起因しているという。ドイツよりも格差が大きいのはエストニア、チェコ、オーストリア、オランダ。賃金格差が最も少ないのはイタリアで4,9%。但し、イタリアでは働く女性が少ない。

   欧州委員会の報告書によると、上場している欧州の大手企業約600社では女性取締役は約10%、女性社長は18人に過ぎない。幹部における男女格差がほとんどないのは2006年に女性割当比率を導入したノルウェーだけである。

   欧州委員会は会社幹部における女性の割合を増やすための提案を今年中に提出することを計画している。

2010年6月21日)

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