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バイオ食品の方が良いとは限らない

   

    商品テスト財団(Stiftung Warentest)は2002年から実施してきた85の食品テストの総合分析・評価結果を発表した。それによると、必ずしもバイオ食品の方が普通の食品よりも健康かつ美味しいというわけではなく、平均すると品質に違いがないことが明らかになった。

   専門家によると、バイオ食品の利点は、殺虫剤検出量が少ないこと、供給者が環境保護と持続性、生産者の社会的責任において積極的に関与していることであるという。

   同財団は、249のバイオ食品と1007の普通食品を有害物、病原菌、知覚(味覚/臭覚/外観)、持続性(環境保護)の基準で調査した。

   総合評価では、バイオ食品の41%が5段階中の「1(秀)」と「2(優)」の評価(1が1%、2が40%)を受けたのに対して、普通食品は45%(1が1%、2が44%)だった。「3」はバイオ食品も普通食品も28%、「4」はバイオ食品が16%、普通食品が13%、「5(不十分)」はバイオ食品が15%、普通食品が14%。

   知覚(味覚、臭覚、外観)では、評価「1」が7%(バイオ食品)/8%(普通食品)、「2」が48%/52%、「3」が22%/22%、「4」が13%/12%、「5」が10%/6%。

   果物、野菜、お茶における殺虫剤検出では、バイオ食品の75%には殺虫剤が検出されなかったが、普通食品で検出されなかったのは16%に過ぎなかった。但し、法律で規定されている上限は下回っていた。「極めて少ない」は13(バイオ)40%(普通)、「少ない」は2%/23%、「多い」は2%/9%。

   全体的に、殺虫剤の負荷は減少傾向にある。専門家によると、殺虫剤を使用しない食品を買うならばバイオ食品がよいが、値段が約30%高いという。

   病原菌では、「1」の評価を受けたのはバイオ食品が47%、普通食品が44%、「2」は29%/31%、「3」は9%/11%、「4」は8%/10%、「5」は7%/4%だった。

   バイオ食品は果物、野菜、牛乳で勝っていた。牛乳では、バイオ食品7商品のうちの6商品が評価「2」だったのに対して、普通商品では12商品のうち5商品だけだった。

   それに対して、菜種油では普通食品の方がバイオ食品に勝っていた。9つのバイオ菜種油の内の7商品は知覚の要件で「5」の評価を受けた。

   全体的に、普通食品メーカーにもバイオ原則を重視する傾向がみられるという。香料や保存剤などの添加物を使用しない食品が多くなっている。

2010年6月21日)

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