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女性は男性より少ない報酬に満足

   

    ドイツ経済研究所(DIW)がビーレフェルド大学とコンスタンツ大学と共同で実施した調査では、女性は男性より少ない報酬に満足しているだけでなく、男性より少ない報酬を正当だと評価していることが明らかになった。

   女性の賃金は同じ資格の男性よりも1620%少ないが、男性より少ない賃金をむしろ正当だと考えている。調査では、女性が正当だと考える(希望)賃金は同じ資格の男性が実際にもらっている賃金より少なかった。この傾向は職業訓練修了資格のない女性から大卒女性に至るまでのすべての所得層と職種に見られる。

   専門家は、女性の賃金要求が男性よりも低いので、男女の賃金格差はなくならないという結論に至っている。これは、女性が自分の職業における他の女性との比較において賃金が正当か否かを判断する傾向にあることに起因しているという。

   多くの女性は賃金水準の低い典型的な女性の職業に従事しているため、賃金に対する期待も低く、賃金交渉においても要求が低い。賃金交渉において、女性は同じ資格の男性よりも慎重で控え目である。

   専門家は、この問題の解決策として、性別分類による報酬制度の透明化を提唱している。

   一方、旧東独の就業者は自分の報酬を正当ではないと感じている。専門労働者、建設業及び社会・保健関連業界の従業員も正当でないと感じている。2009年はほぼ半数の就業者が報酬を適当でないと評価した。

   また、私経済では従業員の約半分が女性であるにもかかわらず、管理職に占める女性の割合は過去三年間変わらず27%であった。地位が高くなればなるほど、女性が少なくなる。ドイツの大企業200社の取締役会では男性の割合が97%以上である。しかも管理職では女性の報酬が男性よりも28%少ない。男性は平均して部下の数が多い。

   専門家は管理職における男女格差の改善が見られないと評価している。企業トップにおける男性の優位が管理職における長い勤務時間と仕事優先をもたらしているという。

2010年7月22日)

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