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ドイツ経済、早くも経済危機から脱出

   

     ドイツ経済は2010年に記録的なテンポで2009年の不況から脱出した。連邦統計局の発表によると、2010年の国内総生産は実質で3,6%上昇して、2兆4980億ユーロだった。1930年代以降最悪の不況だった2009年は4,7%減少した。

   2009年は輸出国であるドイツに対する世界経済危機の影響が特に大きかったが、2010年は力強く増大する外需及び内需のお蔭で経済危機から脱出することができた。すでに暴落の約4分の3は相殺したという。

   ブリューデルレ連邦経済大臣は、「ドイツは他の工業先進国より順調だ。EU平均の2倍の速度で成長している」と語った。ドイツ経済は上昇基調にあり、2011年もブームが続くという。

   大半の経済研究所は2011年の経済成長率を2,3%ないし2,4%と予測している。連邦政府の成長予測は2011年が2,3%、2012年が1,8%。連邦銀行は2,0%成長を見込んでおり、過剰な楽観視を警告した。

   連邦統計局によると、ドイツ経済の回復は主として輸出に起因している。輸出は1,1ポイントで、成長の約3分の1を担っている。残る約3分の2は国内需要で、投資が1,8ポイント、消費が0,8ポイントだった。連邦政府は2011年度輸出の6,5%増、輸入の6,4%増を見込んでいる。

   2010年の就業者数は約4050万人、失業者数は297000人減少して290万人、失業率は6,8%だった。連邦政府は2011年の年平均失業者数294万人、失業率 7%、就業者数4080万人を予測している。

   被雇用者も好況の恩恵を受け、報酬は平均で2,6%上昇した。実質賃金・給与は3,9%増。個人世帯の実質可処分所得は2001年以来の最高水準を記録した。企業所得及び財産所得は13,2%増(2009年は12,6%減)。

   連邦政府は2011年の被雇用者の名目上賃金・給与は2,1%増、個人世帯の可処分所得は3,4%増、インフレ率は1,8%と予測している。輸出だけでなく内需も原動力となり、個人消費は1,6%上昇すると見込んでいる。

   経済危機は国家財政に大きな傷跡を残した。国の財政赤字は2010年に暫定で過去最高の886億ユーロに増大した。これは国内総生産の3,5%に相当する。連邦の新規債務は暫定で440億ユーロ(予算計画では800億ユーロだった)。2011年は連邦の新規債務は484億ユーロと見込まれている。

2011年1月25日)

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