ドイツのニュース

EU、看護師と助産師に高校卒業資格取得を義務付け

   

    欧州委員会は新しいEU職業資格認定指令の枠内で、EU加盟国の看護師と助産師に高校卒業資格ないしそれに相当する資格(最低12年間の学校教育)の取得を義務付ける計画である。

    EUでは24カ国がすでにこの要件を満たしているが、ドイツとオーストリア、ルクセンブルクがまだ満たしていない。多くの加盟国ではこれらの職業の教育が大学水準になっているのに対して、ドイツでは看護師及び助産師になる人を増やすために、2009年にこれらの職業の認定要件をさらに引き下げていた(ハウプトシューレ水準)。

    但し、ドイツでは、ハウプトシューレ及びレアールシューレの卒業生が必ずしも高校卒業資格を取得しなければならないわけではないという。職業学校でまずは助手の資格を取得するなどして、教育期間を全部で12年間にすることにより、EU規定を満たすこともできると解釈されている。

    欧州委員会はEUにおける職業資格認定要件を統一化することで、EU域内における専門職者の移動性を促進したい考えである。

    EUでは国境を越えて他のEU加盟国で働く人が増えており、2009年は約580万人が他のEU加盟国で働いていた。これはEU内の就業者の約2,5%に相当する。

    また、欧州委員会は電子職業証明書の導入も計画している。現在EUで規制されている800種の職業に適用される(医療、手工業、技師、建築技師、教師)。その他の職業ではEU内で事前の認定なしに働くことができる。

    電子職業証明書は出身国の官庁で発行され、就業する国の管轄官庁に直接電子伝送される。その結果、応募者が必要な資格を取得しているか否かを確認でき、職業資格認定手続時間も短縮される。これまでは、応募者が証明書を自ら提出しなければならず、翻訳を要求されるケースが多かった。

2011年12月30日)

戻る