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精神的な病気が原因で欠勤する人が増加している

   

     疾病保険金庫DAK2011年度保健レポートによると、うつ病やその他の精神病を患っているために病欠する人が増えている。2010年は精神的な病気が原因で欠勤した日数が13,5%上昇した。

    病欠の理由の中では、精神的な病気が全体の8分の1を占めている。これは1998年のほぼ 2倍に相当する。

    しかし、全体としては病欠日数は低水準に留まっている。被保険者の病欠日数は平均で年間12,5日であった。半分以上の人は1日も病欠していなかった。

    近年増加傾向にある心の病気の理由としては、肉体労働ではなく、サービス部門に従事する人が増えている職場環境の変化が挙げられる。常にどこでも連絡可能であるため、精神的な負担が大きくなっているという。

    また、精神的な病気に対する社会の対応の変化も挙げられる。うつ病が早期診断されるようになり、患者が早い時期に精神療法医に送られるようになったという。多くの人が精神療法医の治療を受け入れるようになっている。

    精神的な病気の中で最も多い診断はうつ病である。不安状態、ストレス反応、アルコール依存症、薬依存症も多い。

    精神的な病気の患者の2010年度病欠日数は平均で28,9日だった。2009年よりほぼ 1日増えている。病欠原因順位では、精神的な病気は背痛・腰痛(前年比 5%増)、インフルエンザ・風邪(16%減)、その他負傷( 6%増)に続いて 4位であった。

    若い患者は治療を受ける傾向にあるが、年齢の高い患者にはうつ病は依然としてタブーであり、治療を受ける人が少ない。

    疾病保険金庫DAKは、精神療法医が少ないために、法定疾病保険加入者が最初の診察予約を受けるまでに平均で 2ヶ月半待たなければならない現状を批判している。患者が増えている現状を鑑み、古い開業認可制度を見直すよう求めている。

2011年3月22日)

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