ドイツのニュース

認知症患者が増加

   

     ベルリン人口動向研究所は「認知症レポート」の中で、高齢者と認知症患者が増加する社会への準備をするよう地方自治体に勧告している。

    ドイツでは少子・高齢化が進み、認知症患者も増える。現在、65歳~69歳の年齢層では認知症の人は 1%であるが、90歳以上になると 3人に 1人が認知症になると推定されている。女性の方が長生きするので、特に女性の認知症患者が多い。出生率が低く、高齢化が進んでいる地方自治体では相応に認知症患者の割合も高くなる。

    現在、130万人の認知症患者がいるが、2050年には倍増すると予想される。住民の 7人に 1人が80歳以上の高齢者になる。この年齢層は認知症になる確率が特に高い。人口が7000万人に縮小した場合は、人口の 4%が認知症患者になる見通しである。

    2035年にはベビーブーム世代(1959年~1968年)が介護が必要になる年齢に達するため、認知症患者の介護と収容のためのコストが急増する。その一方で、少子化のため、社会保険料を払う被雇用者が減少し、親の介護をする子供も減少する。施設の運用コストが高く、資格を持つ専門職員が不足するため、施設の増設だけでは将来の対策にはならないという。

    すでに住民の高齢化が進んでおり、認知症患者も多くなっている地方自治体では、少子・高齢化社会への準備をしていない場合、2025年には対応が難しくなると警告している。地方自治体には特に「利用できるデータ」や広範な情報が必要である。介護する家族、施設、住宅会社などの関係者をネットワーク化して連携させることができなければならないとしている。

    30年前には多くの自治体がテクノロジーセンターを設立したが、今は社会的革新のための専門センターが必要になっている。

2011年3月22日)

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