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インターネット犯罪が急増

   

     フリードリッヒ連邦内務大臣が520日(金)に発表した2010年度警察犯罪統計によると、2010年の犯罪件数は過去20年間の最低水準に減少した。但し、インターネット犯罪件数だけは急増して過去最高となった。

    全部で5933278件の犯罪件数が登録された(前年比 2%減)。検挙率は56%(前年より0,4ポイント上昇)で過去最高。犯罪の内訳を見ると、窃盗が38,8%、詐欺が16,3%、器物損壊が11,8%、傷害が9,2%、麻薬犯罪が3,9%、その他が20,0%を占めている。

    窃盗は全体的に減少しているが(1,8%減の約230万件)、家宅侵入窃盗(6,6%増)や自動車窃盗は増加した。特にザクセン州で自動車窃盗が増えている。外国人の犯罪組織による犯罪が多い。この部門では検挙率も特に低く、家宅侵入窃盗の検挙率は16%弱。自動車窃盗では 4件に1件だけ。

    暴力犯罪も減少しており、前年比3,5%減の201243件だった。その内、謀殺は1,6%減の692件、故殺は2,8%減の1505件。銃器の使用は減少傾向にある。

    麻薬犯罪件数は231007件に2,1%減少した。特にヘロイン(10%減)とコカイン(15%減)が減少している。

    顕著な増加傾向にあるのはインターネット犯罪で、前年比8,1%増の223642件だった。この部門ではますますプロフェッショナルかつ国際的になる傾向が見られるという。被害者が気付かない場合が多いことや、イメージダウンの懸念から告発しない企業もあるため、検挙が難しい。

    2010年も少年犯罪は減少傾向にあり、前年比6,9%減の231543件だった。暴力犯罪に占める少年被疑者も9,9%減少して 3万5541人だった。

    被疑者に占める外国人の割合は21,9%に僅かに上昇した。

    市民の安全では南北格差が見られる。ドイツ北部の方が南部よりも犯罪件数が多い。住民10万人当たりの犯罪件数を都市別で比較すると、最も安全な都市はミュンヘンで(住民10万人当たり犯罪件数7684件)、最も危険な都市はフランクフルト(1万5977件)だった。フランクフルト市では犯罪の被害者になる確率がミュンヘン市の2倍である。

    安全な都市はミュンヘンの次にニュルンベルク、ドレスデン、エッセン、シュツットガルト、ライプチッヒが続く。危険な都市ではフランクフルトの次がハノーバー、ベルリン、デュッセルドルフ、ケルン、ブレーメンだった。

    検挙率が最も高かった都市はアウグスブルクで73%。ミュンヘンも61,5%で高い。ケルンやデュッセルドルフ、ボンは約45%。

2011年5月24日)

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