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ドイツの租税公課負担は依然として大きい

   

     経済協力開発機構(OECD)の調査結果によると、ドイツの租税公課負担(所得税と社会保険料)は減少傾向にあるが、他の工業国に比べると依然として極めて高い。特に、子供を扶養している低所得の一人親の負担がOECD平均を大きく上回っている。

    OECD調査では、私経済で従事するフルタイム勤務者の平均所得(2010年の年間所得は名目上で41750ユーロ)をベースに所得税と社会保険料の負担を算定した。

    ドイツでは、所得に占める租税公課の割合が特に高いのは子供のいない独身者で、平均的所得の場合、2010年は49,1%だった。2000年は52,9%。OECD平均は2010年が34,9%、2000年が36,7%。ベルギーとデンマークに次いで 3番目に負担が大きい。

    子供2人の夫婦の世帯では、一人の所得が平均的所得で、もう一人の所得がその67%の場合、2000年の45,4%から2010年は41,4%に低下した。OECD平均は32,0%から29,8%に低下している。

    子供2人の専業主婦世帯では、平均所得の場合、32,6%で、工業国平均を7,8ポイント上回っている。

    子供2人の一人親の世帯で、所得が平均所得の67%である場合は、2000年の31,7%から2010年は29,7%に低下した。OECD平均は18,8%から15,8%に低下している。

    OECDの専門家は、ドイツでは主婦が低賃金の仕事に従事すると、追加の社会保険料で世帯の負担が増えるために仕事をする意味がなくなってしまう現状を批判している。

    労働組合系のハンス・ベックラー財団によると、2010年のドイツの実質賃金は被雇用者一人当たり1,1%上昇した。2001年と2004年から2009年までは実質賃金が低下していた。今年4月は消費者物価が1年前よりも2,4%上昇しており、今年の実質賃金が上昇するかどうかは疑わしいという。

2011年5月24日)

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