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専門家、35歳児の一日保育を求める

   

    ベルテルスマン財団の調査結果によると、旧西独では保育施設の整備が遅れており、依然として半日保育(3~4時間)の幼稚園が多いことが明らかになった。

    一日保育が最も遅れているのはバーデン・ヴュルテンベルク州で、3歳以上6歳未満の子供の7人に1人だけが幼稚園の一日保育を受けている。一日保育は7時間以上であるが、送り迎えの時間が様々であることから実質保育時間は6時間に相当するという。シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州とニーダーザクセン州でも一日保育が少ない。

    それに対して、一日保育が最も浸透している州は旧東独のテューリンゲン州とザクセン州である。この2州では幼稚園の一日保育の割合が80%以上だった(2010年度)。

    教育学・心理学・言語学の専門家によると、移民の子供の教育では一日保育が理想的であり、半日保育は言語教育には不十分だという。ベルテルスマン財団の専門家は全国統一した一日保育の導入を政府に求めている。

    一日保育を受けている子供の割合では移民とドイツ人で違いが見られなかった。移民の子供の約3人に1人が一日7時間以上の保育を受けており、ドイツ人の子供とほとんど変わらなかった。

    しかし、3~5歳児における幼稚園に通っていない子供の割合では、親がドイツ人の場合は5%に過ぎないのに対して、移民では14%と、大きな差が見られた。

    州別で見ると、バーデン・ヴュルテンベルク州とノルドライン・ヴェストファーレン州では子供を幼稚園に通わせない親における移民とドイツ人の差がほとんどなくなっている。それに対してバイエルン州ではドイツ人の3~5歳児の97%が幼稚園に通っているのに対して、移民の子供では74%だった。

    保育への支出でも州ごとに大きな差が見られる。支出額が最も少ないのはシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州で6歳未満児一人当たり2200ユーロ弱(2008年度)。保育施設の整備も遅れており、保育時間も短い。

    それに対してベルリンでは一人当たり4100ユーロ。旧西独ではラインランド・プファルツ州が一人当たり3200ユーロで最も多かった。バイエルン州とニーダーザクセン州は約2300ユーロ、ノルドライン・ヴェストファーレン州は2700ユーロだった。

2011年7月26日)

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