ドイツのニュース

パイロットと客室乗務員が特に放射線被曝を受けている

   

    連邦放射線防護局(BfS)が2004年~2009年の放射線防護記録簿を評価したところ、パイロットと客室乗務員の放射線被曝量が上昇していることが明らかになった。

    2009年の放射線被曝量(実効線量)は平均で一人当たり2,35ミリシーベルト(mSv)で、2004年より20%多かった。但し、その幅は年間0,2mSv以下から最高の7mSvまで広い。男性客室乗務員は平均で年間2,9mSvで最も被曝量が多かった。

    ドイツでは、自然放射線に加えて、年間1mSvまでは心配ないとみなされている。

    2004年~2009年の5年間に太陽変動のために飛行機における放射線量が増加した。連邦放射線防護局は航空会社の従業員3万6600人(放射線防護記録簿に記載される人の約10%)を調査した。2009年は約372000人が職業上放射線被曝を受ける人として分類され、放射線防護監視を受けた。

    パイロットと客室乗務員は平均で年間2,3mSv以上と、平均的放射線被曝が最も高い職業に属している。医療関係者の平均被曝量は年間0,5mSv(実効線量)である。

    客室乗務員では男性の方が女性よりも被曝量が多いのは、家庭に依存しないので長距離路線で働くことが多いためであるという。同じ理由から、若い女性乗務員の方が年配の女性乗務員よりも被曝量が多い傾向にある。

    パイロットの場合は逆で、若いパイロットは最初、短距離ないし中距離の路線を飛ぶ機会が多いため、経験豊富な年配の長距離路線パイロットよりも被曝量が少ない。

    連邦放射線防護局によると、パイロットと客室乗務員の健康上のリスクが多少高いという調査結果もあるが、現時点ではこの職業と例えば癌になるリスクの関連性は学術的に実証されていないという。

2011年8月26日)

戻る