ドイツのニュース

ヴルフ連邦大統領、辞任

   

    ヴルフ連邦大統領は217日(金)、昨年末から報道されているニーダーザクセン州首相時代の数々の汚職疑惑の責任を取って辞任した。「国民の信頼と私の(大統領としての)有効性が持続的に損なわれたため、これ以上職務を遂行することができない」と説明した。

    ハノーバー地検は216日(木)、「地位を利用した不当利得」疑惑を捜査するために連邦大統領の不逮捕特権の停止を連邦議会に申し立てたと発表した。これがヴルフ連邦大統領の辞任を促したと見られる。

    2010年5月に前任者のケーラー前連邦大統領が任期途中で突然辞任したため、ヴルフ氏が2010年6月に第10代連邦大統領に選出された。2年足らずの間に二人の連邦大統領が辞任したことになる。

    連邦集会における与党の過半数がぎりぎりであることから、メルケル首相は野党とも話し合いながら適任者を選ぶ意向を示していたが、219日(日)夜、与党と野党(社会民主党と緑の党)の党首は前回の連邦集会における連邦大統領選挙でヴルフ氏に負けたヨアヒム・ガウク氏を選出することで合意した。

    ガウク氏は旧東独出身で72歳。反体制派の牧師だった。人権活動家として東西ドイツ統一に貢献し、統一後は旧東独国家公安局(秘密警察)の文書を保管する官庁の長官を務めた。

    前回の連邦大統領選挙の時も国民の支持率はヴルフ氏よりもガウク氏の方が高かったが、最近の世論調査でも国民の大多数がガウク氏を支持している。

    新しい連邦大統領は318日に連邦集会で選出される予定である。

2012年2月22日)

戻る