ドイツのニュース

人工妊娠中絶件数、2011年も減少

   

    連邦統計局の発表によると、2011年の人工妊娠中絶件数は2010年(11431件)よりも約1600件減少して108900件だった(1,4%減)。これは1996年の法律改正以来の最低水準である。ドイツでは2004年以降、人工妊娠中絶件数が継続的に減少している。

    中絶をした女性の約4分の3は1834歳で、14%が3539歳、8%弱が40歳以上、4%が18歳未満の未成年者だった。未成年者の中絶件数は4450件から約4000件に約10%減少した。6%は本人が住んでいない連邦州で中絶した。

    人工妊娠中絶の97%は法律で規定されているカウンセリングの後に行われている。3%は医学上あるいは刑事犯罪上の理由だった。全体の80%は産婦人科の診療所で、18%は病院で行われた。

    人工中絶の70%は従来の吸引法で行われており、15%だけがミフェプリストンという人工流産を引き起こす中絶薬が使用された。

    依然として多くの女性が外国へ行って中絶をしている。2004年は1000人以上の女性がドイツからオランダへ行って中絶をした。この女性の約半分は妊娠14週目以降に中絶をするために外国へ行っている。ドイツでは14週目以降になると、医学上ないし刑事犯罪上の理由なしには中絶できない。

    連邦統計局によると、人工妊娠中絶の減少は主として、出産可能な年齢層の女性の減少に起因しているという。

    家族支援団体Pro Familiaは、人工妊娠中絶の減少は特に、妥当な法律改正と性教育の普及に起因していると見ている。避妊薬(具)の入手が容易になったことも望まざる妊娠を少なくしているという。同団体の総合コンセプトには合法で安全な人工妊娠中絶の可能性も含まれている。

    同団体によると、ドイツはオランダに次いで人工妊娠中絶件数が最も少ない国である。両国は性教育を重視して、避妊に関する広範な情報を提供している。その結果、未成年者の中絶が減少している。

    「すべての女性に安全な人工妊娠中絶の権利があるということは、人工中絶反対者が主張する中絶の増加をもたらすのではなく、反対に中絶の減少をもたらしている」。カウンセリングでは、女性たちが望まざる妊娠の問題と真剣に取り組んでいるという。

2012年4月25日)

戻る