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生涯介護費用の半分は自己負担

   

    バーマーGEK疾病保険金庫が1127日(火)に発表した2012年度介護レポートによると、ドイツにおける生涯介護費用の平均値は、家族と要介護者の自己負担分が約31000ユーロ、介護保険からの給付が約33000ユーロで、介護費用のほぼ半分が自己負担であることが明らかになった。

    同保険金庫は、60歳以上で2000年に初めて要介護になった被保険者約2000人の2000年~2011年の介護費用と2011年に生存している255人の2024年までの費用を分析して算定した。

    生涯介護費用の男女格差が大きい。女性の場合は平均で約84000ユーロで、男性(42000ユーロ)の2倍である。相応に自己負担分も約45000ユーロで、男性(約21000ユーロ)の2倍以上になる。これは、女性の方が男性よりも長生きし、介護施設に滞在する期間が長くなることに起因しているという。

    2009年は最も低い要介護度1の人の介護に対して家族は介護手当のほかに月々339ユーロを負担した。専門家は3年以内に自己負担が407ユーロ(月額)に増えると予測している。施設介護が可能になる最も高い要介護度3では自己負担額に変化がないと見ている。

    要介護度1の人は1996年以降2倍以上に増加している。それに対して、要介護度2と3の要介護者数はほとんど変わっていない。

    連邦保健省によると、250万人の人が介護保険から給付を受けており、その内の170万人は在宅介護サービスを受けている。

    バーマーGEK疾病保険金庫は、この調査結果は「介護保険が(一部を補償する)部分保険であったし、これからも部分保険である」ことを示していると指摘する。

    専門家によると、今後、要介護者数の増加のテンポは過去10年間よりも減速すると予想される。2010年は年間3%増であったが、2011年は初めて増加が鈍化しており、2030年までに増加幅は年間0,5%程度に落ち着くものと推測している。

    そこで、疾病保険金庫は、保険金庫にはまだ約50億ユーロの準備金があるので、介護問題を誇張しすぎないよう呼びかけている。 

2012年12月21日)

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