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介護士不足が介護士養成論争を引き起こす

   

    ベルテルスマン財団の調査結果によると、2030年までに要介護者がほぼ350万人に増加する見通しである。それに伴い、介護士が約50万人不足すると予想される。

    介護専門家は、十分な資格のない労働力で介護士不足を補うことを警告している。病気も複雑化しており、質の高い介護士が必要であるという。

    ベルテルスマン財団は、国内のすべての郡及び都市における要介護者数と介護士不足の今後の動向を調査した。状況は地方自治体によって異なる。カッセルやバンベルクでは要介護者の増加率が5%以下であるのに対して、ダッハウやエルディング、ミュンヘンでは倍増すると予想される。しかし、地域ごとに状況は異なっても全国的に介護士不足になることは確実であるという。

    すでに現在、多くの老人ホームでは介護士の確保が難しくなっている。「これまで、社会がこのテーマを抑圧してきた」と専門家は指摘する。

    一方、介護士需要をカバーするために介護士資格を下げるよう求める声もある。例えば、連邦雇用庁は、老人介護士の養成期間を短縮することを提案している。予備知識のある失業者には養成期間を現在の3年から2年に短縮しても十分であるという見解である。

    それに対して、介護専門家は介護士養成期間の短縮に反対している。医学が高度化している時代の老人介護はますます要求が高くなっている。幾つかの複雑な病気を持つ要介護者が増えており、介護士が医師の任務を一部引き受けなければならない状況になっているという。

2012年12月21日)

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