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G8卒業生の学力水準は低下していない

   

    ギムナジウム(高等学校)が9年制から8年制に短縮されたが、生徒のストレス増や学力水準の低下を懸念する親や教師が多い。再び9年制のクラスも提供する州が出てきている(バイエルン州、ヘッセン州など)。

    しかし、今回発表されたハンブルク都市州の調査結果では、G8卒業試験の成績がG9卒業生よりもよかったことが明らかになった。

    2011年夏に行われたG8卒業試験の英語、数学、自然科学の成績と2005年に行われたG9卒業試験の成績を比較したところ、G8卒業生の成績は英語と自然科学でG9卒業生よりも良かった。数学だけは平均点が僅かに低かった。

    高校卒業生は2005年の3517人から2011年は4675人に33%増加した。それにもかかわらず、平均点が低下せず、僅かに上昇したという。

    英語では、G8卒業生の上位500人の成績がG9卒業生上位500人を上回ったが、成績の悪い生徒もG8の方が多かった。但し、親が低学歴の家庭の生徒の割合もG8G9の2倍に増えている。

    ハンブルク都市州の学校担当者は、「高校卒業生が増加したが、学力水準は低下しておらず、G8への短縮は有益であった」という結論に至っている。

    しかし、G8ではドイツ語、数学、英語の授業時間数がG9より増えていることも考慮しなければならない。G8卒業試験の好成績は必ずしもG8への短縮に起因しているのではなく、他の要因(高等部のカリキュラムの改革など)も影響していると見る専門家もいる。     

2012年12月21日)

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