ドイツのニュース
連邦家庭相、匿名出産に関する政策要綱を発表
シュレーダー連邦家庭大臣は7月4日(水)、匿名出産に関する政策要綱を発表した。(2012年4月25日のニュースを参照) それによると、病院で匿名出産ができるようになり、出産後に新生児を養子縁組させることができる。子供を匿名出産したい女性は妊娠相談所へ行き、相談する。妊娠相談所は匿名出産ができるように手配する。 子供のために、出生後できるだけ早く養子縁組できるようにする。但し、母親は早くても出産から8週間後に養子縁組に同意できる。母親からの連絡が何ヶ月間もないときは、養子縁組に同意したものと判断される。養子縁組手続が終了するまでは、母親は匿名を止めて、子供を引き取ることができる。 母親は個人に関するデータを記録した書面を封筒の中に入れて封印し、妊娠相談所に供託しなければならない。 子供が16歳になると、母親に関するデータの入った封筒が管轄の養子縁組仲介所に渡される。16歳以上の子供は自分の母親に関するデータを閲覧することができる。 新規定の目的は赤ちゃんポストの代わりに「内密出産(匿名出産)」が利用されるようにすることである。赤ちゃんポストは引き続き黙認されるが、新しい赤ちゃんポストは設置しない。 シュレーダー連邦家庭相によると、これは「匿名を望む母親の希望を尊重するとともに、子供が身元を知る権利を守るというバランスのとれた規定」であり、この新規定により赤ちゃんポストが不必要になるという。 現在、ドイツでは匿名出産も赤ちゃんポストも法律上は禁止されているが、黙認されているのが実情である。新しい法律が制定されれば、匿名出産(内密出産)が合法化されることになる。
連邦家庭省によると、内密出産を希望する女性は年間100人以下と推定される。しかも多くの女性が内密出産手続における相談や支援を受けて匿名を止めるのではないかと予想されている。 (2012年7月19日) |