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欧州特許裁判所はパリに設立/ミュンヘンには支部設立

   

    EU加盟国首脳は6月29日(金)、EU統一した欧州特許裁判所をパリに設立し、ミュンヘンとロンドンには支部を設立することで合意した。

    ミュンヘンには連邦特許裁判所、ドイツ特許商標庁、欧州特許庁があるため、ドイツ政府は欧州特許裁判所のミュンヘンへの誘致を図ってきたが、一都市で合意できなかったため、専門分野を3都市に分けるという妥協案に同意した。ミュンヘン支部は機械工学分野を管轄とする。

    EUは単一の欧州特許権創設ではすでに2011年に合意していたが、欧州特許裁判所の設置場所を巡る争いから棚上げされていた。欧州特許裁判所の設置場所が決まったことで、ようやく単一の欧州特許権が創設される。

    欧州特許と欧州特許裁判所の創設により、特許出願と特許裁判が大幅に簡略化され、コストも削減される。但し、EU加盟国27カ国のうち、スペインとイタリアが翻訳言語(英語、ドイツ語、フランス語)に反対しているため、欧州特許は両国を除く25カ国だけで導入される。

    しかし、EU加盟国首脳がようやく欧州特許権と欧州特許裁判所の創設で合意したにもかかわらず、欧州議会と欧州委員会は、その妥協案の中で欧州司法裁判所の役割に関する条項が削除されたために、妥協案に反対している。

    欧州議会は7月4日(水)に欧州特許の導入を決定する予定であったが、採決を延期した。欧州特許に関する法案の夏休み前の成立が不可能になったことから、同法が計画通り2014年1月1日に発効できるかどうかは不透明である。

2012年7月19日)

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