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2011年の出生数、戦後最低/人口は増加

   

    連邦統計局の発表によると、2011年の出生数は戦後最低の662712人だった。これは1960年代の約半分で、2010年より約1万5000人少ない(2,2%減)。

    死亡数は852400人で、前年より約7000人減少した。死亡数から出生数を引いた自然減は189700人。2010年の自然減は181000人だった。1971年以降、ドイツの人口は自然減少している。

    しかし、2011年は移民が増えたことから人口が約8185万人に増加した。移入民数が移出民数を279000人上回った。

    移入民の増加は2004年にEUに加盟した新規加盟国(特にポーランドとハンガリー)からの移入民が急増したことに起因している。2011年5月からEU新規加盟国にも完全なる「被雇用者の移転の自由」が適用されるようになった。

    専門家によると、この移入民の増加が今後も継続するのか、それとも一時的現象なのかはまだ判断できないが、長期的には人口の自然減を移民の増加で補うことはできないという。2050年には自然減が50万人以上に増加し、2060年には人口が6500万人~7000万人に減少すると予想している。

    出生数が戦後最低に減少したことから、キリスト教民主同盟(CDU)内部では両親手当の有用性についての議論が再燃した。右派の一部議員は両親手当を見直すよう政府に求めている。両親手当の予算は年間約50億ユーロで、国庫の最大予算の一つである。

    CDU党内でも異論のある養育手当(Betreuungsgeld:保育園を利用せずに自宅で育児する親に支給される手当)の導入が野党の大反対を受けており、連邦議会における採決は夏休み後に持ち越された。連邦政府の看板政策である家族政策が与党内部から揺らぎ始めている。連邦政府のスポークスマンは、「連邦内閣は両親手当を疑問視していない」ことを強調した。

2012年7月19日)

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