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連邦環境大臣、有価物収集容器の導入を計画

   

    アルトマイヤー連邦環境大臣は、来年の総選挙までに、全国統一した有価物収集容器を導入したい考えであることを明らかにした。但し、これは新しい収集容器の導入ではなく、「緑のマーク」の付いた包装材を収集する既存のシステムを拡大するものであるという。

    現在、「緑のマーク」の付いた包装材は、製造者と流通者が「緑のマーク」使用料を払ってデュアルシステムの黄色の袋や容器で分別収集してもらい、リサイクル処理している。

    それに対して、将来は「緑のマーク」の包装材だけでなく、それと同じ素材(プラスチックと金属)から成る非包装材も一つの有価物収集容器で分別収集して、リサイクル処理する。これまでは、同じ素材であっても「緑のマーク」包装材でなければ、残留廃棄物収集容器に捨てられ、焼却されていた。将来はプラスチック包装材だけでなく、プラスチックのおもちゃの自動車や金属製のお鍋も有価物収集容器で回収してリサイクル処理する。

    携帯電話や他の電気・電子機器の分別収集及びリサイクル処理については別個に規定するという。紙や電池、木、繊維、ゴム、ガラスも従来通り、分別収集する。携帯電話については小売店の回収義務を検討している。

    連邦環境大臣は有価物収集容器の導入で発生する追加コストの負担については明確にしていない。しかし、有価物収集容器の導入により廃棄物(有価物)のリサイクル処理量が増えることから、残留廃棄物量が住民一人当たり年間約7kg(全体で57万トン)ほど減少すると試算している。

    現在、包装材は民間事業者が収集しており、その他の廃棄物の収集は市町村に管轄権がある。民間事業者と市町村が新しい有価物収集容器の管轄権を主張しているが、連邦環境大臣はどちらか一方に管轄権を与えるのではなく、競争がコスト削減と効率的な収集システムの構築のための効果的な手段であるという考えである。

    アルトマイヤー連邦環境大臣は11月に法案を提出して、来年のイースター前に成立させることを目指している。

2012年9月25日)

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