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過去20年間に貧富の差が拡大

   

    連邦労働・社会省の「貧富報告書」案によると、過去20年間にドイツの生活水準は大幅に上昇したが、貧富の差が拡大した。国民の10%の最富裕層が個人総資産の半分以上を所有している。

    「貧富報告書」案によると、2010年の国民総資産は約12兆ユーロで、国内総生産(約2兆4800億ユーロ)の約5倍だった。ユーロ危機を要因として、国の債務は国内総生産の約83%に上昇した。この20年間に国の資産は縮小したが、個人資産は大きく増加した。

    国の実質資産は1992年初頭から2012年初頭までに8000億ユーロ以上減少したのに対して、個人世帯の実質資産は約4兆6000億ユーロから約10兆ユーロに倍増した。実質個人資産は2007年~2012年の期間だけでも約1兆4000億ユーロも増加している。

    実質個人総資産の配分を見ると、2008年は国民の10%の最富裕層が総資産の53%を占め、国民の下半分の層は1%に過ぎなかった。この比率は2003年が49%/3%、1998年が45%/4%と、貧富の差が広がっていることが分かる。

    東西格差は縮小しているが、旧西独の個人世帯の平均資産が約132000ユーロ、旧東独が5万5000ユーロと、まだ大きな差が見られる。

    国民の上半分の層の給与は過去10年間に上昇したが、下半分の層の給与は実質で減少しており、所得格差が広がっている。

    フォン・デア・ライエン連邦労働・社会大臣は、教育/公平な最低賃金/低所得者のための追加年金などにより、個人資産の格差を縮小させる政策を検討する意向であることを明らかにした。

2012年9月25日)

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