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学術審議会、保健専門職の大学コースを提言

   

    学術審議会は、保健専門職(看護師、介護師、理学療法士、助産師)の10%から20%を大学の学士コースで養成することを提言した。そのために、専門単科大学の保健学部、総合大学の医学部に属する保健学部に看護学科、介護学科、理学療法学科、助産学科を設置することを提案している。

    現在、保健専門職は職業専門学校で養成しており、職業専門学校(3年間)の後に学士を取得することは可能である。それに対して、スウェーデンなどには大学に専門学科があり、研究も進んでいる。

    高齢化社会では慢性疾患や要介護の人が増えるため、質的に従来とは異なる多様なサービスが必要になる。これまでの職業教育デュアルシステムは将来求められる複合的な介護や医師とのチームワークを実現するにはもはや適切ではないという。

    しかし、州の代表者は職業教育デュアルシステムが弱体化することを懸念して、保健専門職の大学コースの創出に反対している。

    また、医師会やドイツ大学連盟、医学部会議、医学学術専門協会などから成る医学共同体(AG Med)は大学における継続教育としての追加資格には賛成するが、大学における専門養成は介護とリハビリテーションの利点にならないとして、職業教育デュアルシステムから大学における学士コースへの移行に反対している。

    「強制的な大学化は全く不必要である。大卒の介護師も医師の任務を引き受けることはできない。患者は専門医の治療を求める権利がある」として、コストのかかる大卒介護師の養成ではなく、医師の介護教育の改善を求めている。

2012年9月25日)

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