ドイツのニュース

看護師・助産師資格にアビトゥーアの義務付けなし

   

    欧州議会は10月9日(水)、アビトゥーア(ギムナジウム・高等学校卒業資格)ないしそれに匹敵する修了資格を看護職の条件とするという欧州委員会の提案を最終的に否決した。

    その結果、ドイツでは今後も看護師と助産師にアビトゥーアが義務付けられない。10年間の学校教育の卒業資格と2年間の職業訓練修了資格があればよい。

    但し、欧州連合は、訓練生が看護職養成終了時に満たさなければならない要件のカタログを作成する。

    欧州委員会は提案の中で、ますます多くの能力・技能が看護師に求められるようになっている現状からアビトゥーアないしそれに匹敵する12年間の学校教育の修了資格は看護職にふさわしい適切な前提条件であると根拠づけていた。すでに28加盟国中24加盟国がこの標準を満たしている。

    ドイツ政府は、看護師不足がさらに悪化することを懸念して、欧州委員会の提案に反対していた。

    しかし、現場では看護師がより高い能力・技能を求められており、看護師資格をレベルアップして看護職の評価を高め魅力的にした方が看護師志望者が増えるのではないかという意見もある。

    一方、欧州議会は、医師が医師免許を喪失した場合のEU早期警戒システムを導入することを決定した。医師免許のない医師は他のEU加盟国でも医師として働けないようにするためである。

    欧州議会の決定(EU職業資格指令)はすでに欧州連合理事会と調整済みであるため、その発効は確実である。 

2013年10月23日)

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