ドイツのニュース

早すぎる進学コース分けは学力低下につながる

   

    Ifo経済研究所の調査では、ハウプトシューレ(基幹学校)とレアールシューレ(実科学校)への進学コース分けを早い時期にすると、両コースの生徒の学力が低下するという結果が出た。

    バイエルン州では2000年まで、ギムナジウム(高等学校)へ進学しない生徒は6年間一緒に勉強して、7年生からハウプトシューレないしレアールシューレのコースに分かれた。

    しかし、2000年にレアールシューレの生徒の学力促進を目指して、5年生からレアールシューレに進学できるようになった。

    2000年、2003年、2006年のOECD生徒の学習到達度調査(PISA)のデータを分析した専門家は、5年生からの進学コース分けが両コースの生徒の学力低下につながったという結論に達している。

    2000年の学校制度改革後も両コースの生徒の学力は全国平均を上回っていたが、改革前より低下している。特に、読解力が顕著に低下したという。

    その要因としては、5年生でコースが決まってしまったために、5年生と6年生があまり勉強しなくなったことが挙げられる。また、進学コース分けが早ければ早いほど、誤った評価・判断が行われる可能性が高いことも専門家は指摘している。

    2009年のPISAからは州ごとのデータがないために、今回のIfo調査で取り扱うことができなかったという。

    今年秋に州選挙を控えているバイエルン州はもとより、全国で学校制度に関する議論が再燃しそうである。

2013年2月26日)

戻る