ドイツのニュース

保育施設の教育上の質は不十分

   

    幼児教育に関する国内調査結果によると、ドイツにおける保育施設の教育上の質が不十分であることが明らかになった。様々な形態の保育施設における2000人の幼児を2年間観察するとともにその親と保育士にアンケート調査した。

    教育上の質が中程度の保育施設が80%以上で、質が良い保育施設は10%を下回り、質が悪い保育施設は10%を上回った。

    言語と算数の教育では半分以上の保育施設が不十分だった。旧西独の方が旧東独よりも教育上の質が高い。また、同年齢の子供だけのグループの方が年齢が混合したグループよりも質が高かった。

    保育ママの質は幼稚園の質に劣っていない。教育上の質が特に悪かったのは移民背景を持つ子供の多い保育施設だった。

    非常に質の高い保育施設の子供達は非常に質の低い保育施設の子供達に比べて、認知発達(思考発達)と社会的発達が1年先行していた。

    早い時期に家庭外で保育された4歳児は語彙が多い。特に移民背景を持つ子供にポジティブな影響が見られる。

    専門家によると、保育士が外向的な性格で、保育の仕事に対する満足度が高い場合に、質の良い教育が行われているという。

    また、保育施設よりも家庭の方が子供の教育水準に強く影響することを指摘している。母親の教育水準が高く、抑うつの兆候がなく、世帯が母親と父親(パートナー)と少数の子供から成る場合に、家庭における教育環境がより有益であるという。移民背景をもつ家庭はドイツ人家庭よりも教育環境が悪かった。

    専門家は、保育施設の整備が収容数の増加だけに向けられ、質の向上が顧慮されていないことを批判している。現在、子供が質の高い保育施設に入所できるかどうかは「宝くじ」のようなものだという。

2013年3月26日)

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